体験記

KLCで2回目の採卵——上野の桜と、二度目の「培養中止」【体験談】

📖 体験記⑳/42歳・KLCでの採卵2回目のお話
満開の桜が咲く上野公園の並木道のイラスト

1回目の「発育停止」から10日ほど。次の生理が来て、わたしはまた新宿にいました。

2回目の採卵周期は、上野の桜と、夫の友達のお店と、通勤ラッシュの首都高と——そして、二度目の「培養中止」の記録です。かかったお金も、全部書きます。

1. 3月31日、生理3日目——2回目の周期スタート

3月31日、生理3日目に受診。採血の結果、数値に問題なく、2回目の採卵周期に入ることが決まりました

この日の会計は、64,500円。「高っ」と思わず声が出そうになりましたが、明細を見ると、1回目の採卵ぶんの受精や培養管理にかかった費用でした。培養の結果が出たあと、次の受診のときにまとめて支払う形のようです。

📝 生理3日目に見る「E2」と「FSH」って?(わたしなりの理解)

  • FSH(卵胞刺激ホルモン):脳から卵巣へ「卵胞を育てて」と指示を出すホルモン。生理3日目の値は、卵巣がどのくらい反応してくれそうかの目安になると言われています
  • E2(エストラジオール):卵胞から出る女性ホルモン。卵胞の育ち具合の目安で、周期のはじめは低い状態からスタートするのが基本だそうです

この2つで「今周期、採卵に向けてスタートできる状態か」を確認しているようでした。※基準値や見方はクリニックによって違います。数値の意味は、必ず主治医に確認してくださいね。

2. 夫の診察同席は「別途予約」が必要だった

この日、ひとつ勉強になったことがあります。診察に夫も一緒に入ろうとしたら、「ご予約がないので、奥様だけでお願いします」と止められたんです。

KLCでは、夫が診察室に同席するには、夫自身のアプリから別途予約が必要でした。夫婦で行けば一緒に聞けるものと思い込んでいたので、これは知らなかった……。同じようにご夫婦で通う方は、事前に確認しておくと確実です。

そしてこの日の帰り、せっかくの東京なので上野公園の桜まつりに寄りました。満開の桜の下、治療のことを少しだけ忘れて歩く時間。遠征通院のささやかなご褒美です。

3. 採卵日が、なかなか決まらない——4月7日・9日

4月7日、再び受診。採血と内診で、今度はE2・LH・P4という数値を見ました(LHは排卵の引き金になるホルモン、P4は排卵後に増える黄体ホルモン——排卵しそうか・してしまっていないかの確認のようです)。会計は4,760円。

ただ、この日は「2日後の数値も見たい」ということで、採卵日は決まらず。1回目のようにトントンとは進みません。卵胞の育ちに合わせて、こまめに見てもらっている感じでした。

4月9日、また受診。同じ項目を確認して、会計10,860円。ここでようやく、採卵日が4月13日に決定しました。

💬 通院のあいまの、楽しみ

7日の夜は「せっかくだから」と、東京にいる夫の友達のお店へ飲みに行き、その場でアゴダを開いてビジネスホテルを予約——ふたりで6,000円くらいでした。9日の夜も、また同じお店へ(翌日わたしは夜勤なのに笑)。⑱でホテルを先走って失敗したので、今回は「泊まると決まったその場で取る」方式。治療のためだけの東京じゃなく、楽しみをくっつける。これがわたしたちの通院スタイルになっていきました。

4. 採卵当日——首都高には「通勤ラッシュ」がある

前日、時間を知らせるメールが届きます。当日は8時20分。1回目の渋滞で懲りたので、朝5時半に家を出ました

それでも——また渋滞。首都高の、朝の通勤ラッシュです。平日の朝の首都高は、早く出ても混む。2回目にしてようやく、「首都高にも通勤ラッシュがある」と学びました。バタバタしながら、なんとかギリギリで間に合いました。

採卵は1回目と同じく低刺激・無麻酔。結果は——2個。ベッドで休んでいると、看護師さんが採卵数の書かれた紙を持ってきてくれます。その紙を見た瞬間の、うれしさとホッとした気持ち。1回目より1個多い。それだけで、心が軽くなりました。

夫は採精へ。その後の診察で、2個の内訳は成熟胚が1個、未熟胚が1個とわかりました。受精に進めるのは成熟した卵だけ。「1個でも成熟胚があってよかった」——この日の会計は21,050円でした。

5. 「正常受精」の知らせ、そして4月20日

翌日、メールが届きました。成熟胚は、IMSIで正常受精。未成熟だった1個は、培養中止になりました。ここまでは、1回目と同じ流れ。あとは育ってくれるのを祈るだけです。

結果のメールが届いたのは、4月20日。夫と散歩をしている途中でした。スマホを開くと、そこには——

成熟度成熟
受精方法IMSI
1日目正常受精
2日目4細胞
5日目コンパクション
6日目発育停止
培養状況培養中止

また、だった。二度目の「培養中止」。今回は胚盤胞のひとつ手前、「コンパクション」という段階(分裂した細胞同士がぎゅっとくっつき合う、胚盤胞になる直前の過程だそうです)まで来て、止まってしまいました。

さすがに、落胆しました。桜の下を歩いた日から、まだ3週間。宇都宮では毎回いいグレードで凍結までいけたのに、KLCでは凍結にすらたどり着けない。どうして?なんで?——「KLCがだめなのか?」とすら思いました

今ならわかります。クリニックのせいというより、それだけ42歳の卵で胚盤胞まで育つのは簡単じゃないということ。でもこのときは、行き場のない「なんで」を、隣を歩く夫にぶつけることしかできませんでした。

6. 2回目の周期でかかったお金(実費)

💰 KLC・2回目の採卵周期の実費メモ(わたしの場合・保険適用)

  • 周期スタート(3月31日・採血):64,500円(1回目の採卵ぶんの受精・培養管理費の支払いを含む)
  • 卵胞チェック(4月7日・採血、内診):4,760円
  • 卵胞チェック(4月9日・採血、内診):10,860円
  • 採卵日(4月13日・採卵、診察):21,050円
  • 合計:101,170円(+交通費・宿泊費)

※2025年当時、保険適用でのわたしの支払い額です。3月31日の会計が大きいのは、1回目の採卵ぶんの受精・培養管理費をこのとき支払ったため。治療内容・時期で変わるので、一例として参考にしてください。

7. まとめ——それでも、終わりにはしなかった

二度目の「また一から」。心は正直、かなり削られていました。それでも、上野の桜も、友達のお店の夜も、ちゃんと楽しかった。つらい治療の記録のなかに、そういう時間があったことも、正直に残しておきます。次の記事では、3回目の採卵へ向かう話を書きますね。

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