受精はしたのに、育たなかった——KLC1回目、メールで知った「発育停止」【体験談】
採れた卵は、たった1個。でも成熟胚で、無事に受精してくれた。いったんはホッとしました。
ところが数日後、メールで確認した結果は「発育停止」。声を失いました。この記事は、受精の喜びから一転、また採卵に戻ることになった数日間の記録です。
1. 採卵の翌日、届いた「正常受精」の知らせ
採卵の翌日、培養結果のお知らせメールが届きました。メールから患者専用サイトを開いて、おそるおそる確認すると、そこには「正常受精」の文字。
採れた1個は成熟卵で、夫の精子とIMSI(イムジー)という顕微授精で、きちんと受精してくれていました。「よかった……」と、まず胸をなでおろしました。
正直、受精そのものはそこまで心配していませんでした。宇都宮のときも受精のグレードは良かったからです。担当してくれた宇都宮の先生に「受精は相性も関係するから、相性がいいのかもしれないね」と言われていたことも、心の支えになっていました。
💬 このときの気持ち
「1個でも、受精してくれた」。その事実だけで、十分うれしかった。あとはこの子が元気に育ってくれれば——。次の連絡は「凍結できました」の知らせだと、信じて疑っていませんでした。
2. 予定は「胚盤胞まで育てて凍結」。結果を待つ数日間
結果のページには、今後の予定も書かれていました。この1個を胚盤胞(着床できる状態に近づいた胚)まで育てて、凍結する方針。そして採卵から約1週間後に、凍結確認のメールが届くとのことでした。
その日まで、祈るような気持ちで待ちました。「元気に育ってね」と、毎日心のなかで話しかけて。
3. 届いた結果は、「発育停止」だった
そして、結果の日。メールが来て、専用サイトを開いたわたしは、言葉を失いました。
そこに並んでいたのは、こんな経過でした。
| 成熟度 | 成熟 |
| 受精方法 | IMSI |
| 1日目 | 正常受精 |
| 2日目 | 4細胞 |
| 5日目 | 初期胚盤胞 |
| 6日目 | 初期胚盤胞 → 発育停止 |
| 培養状況 | 培養中止 |
「今周期は、凍結可能な状態まで育ちませんでした」。そう書かれていました。
えっ!!——思わず、声が出ました。正常受精して、4細胞に分かれて、初期胚盤胞まで育っていたのに。あと一歩のところで、成長が止まってしまった。
そして続く一文が、追い打ちでした。「今後の治療のご予定は、採卵となります」。また一から。あの採卵を、もう一度。
4. 見慣れない言葉ばかりで、意味がわからなかった
結果表に並ぶ言葉は、どれも見慣れないものばかり。「4細胞」「初期胚盤胞」「発育停止」——ひとつひとつの意味も、それがどのくらい悪いことなのかも、その場ではよくわかりませんでした。
同じように結果を受け取って戸惑う方のために、わたしがあとから理解した範囲で、ざっくり言葉の意味を残しておきます。
📝 培養結果の言葉(わたしなりの理解)
- 正常受精:卵子と精子が正しく受精した状態
- 4細胞(2日目):受精卵が2つ→4つと分裂して、順調に育っていく途中の段階
- 胚盤胞:さらに育って、着床できる状態に近づいた胚。凍結や移植の対象になる
- 初期胚盤胞:胚盤胞になりかけの、一歩手前の段階
- 発育停止/培養中止:培養の途中で成長が止まり、凍結できる状態まで育たなかったこと
※言葉の意味や見方は、クリニックによって説明が異なります。正確なことは必ず主治医にご確認ください。受精卵が育つかどうかには個人差があり、年齢によっても変わると言われています。
5. 夫は、いつもの「そうなんだ」
この結果を夫に伝えたときも、返ってきたのは「そうなんだ」のひとこと。夫はもともと、治療にあまり関心を示さないタイプです。
「やめよう」とは言いません。でも、「もういいんじゃない?」と思っているような空気は、なんとなく伝わってきました。責める気にはなれませんでした。当事者の身体の感覚と、隣で見ている側の温度差は、どうしても生まれるものなのかもしれません。
6. それでも、わたしはまた採卵を選んだ
正直、心は折れかけていました。あの痛い採卵を、もう一度。育つ保証もないのに。
それでも、わたしはもう一度採卵に進む道を選びました。理由をうまく言葉にはできません。ただ、ここでやめたら「あのとき続けていれば」と、この先ずっと思う気がしたんです。1個が育たなかったなら、また採るしかない。そう腹をくくりました。
7. まとめ——受精は、ゴールではなかった
- 採卵の翌日、メールで「正常受精」の知らせ。いったんはホッとした
- 予定は胚盤胞まで育てて凍結。約1週間後に結果が届く仕組み
- 結果は、初期胚盤胞まで育ったあと6日目に発育停止・培養中止
- 「今後の予定は採卵」——また一から採り直すことに
- 夫との温度差を感じながらも、もう一度採卵に進むと決めた
受精した、と喜んだのに、育たなかった。40代の採卵では、こういうことも起こります。つらい回でしたが、正直に記録しておきます。同じ知らせを受け取って呆然としている方に、「ひとりじゃないですよ」と伝わればうれしいです。次の記事では、2回目の採卵へ向かう日々を書きますね。